昔から、作戦での生存率確保と優位に立つための手段として
背景に身体を視覚的に溶け込ませるカモフラージュが研究されてきた。
各国は特有の迷彩柄を開発し、今もその改良に余念がない。
ことに、相手から居場所を悟られないように狙撃を行うスナイパーは
迷彩術を特にこだわる。
様々な手段で身体に擬装を施し、森と一体になるのである。
サバゲでもそれは当然言えることで、スナイパーなどに限らず
擬装は隠密性を効果的に上げる手段なのだ。

…とまぁ、擬装の前置きはこれぐらいにして。

世の中には様々な擬装がありますが、スナイパーが着ているのが
ギリースーツと言われる物です。
擬装服のことですね。
最近よく見かける「本格的なギリースーツ」はバーラップロールを
ネットに沢山結んだあとに、もみ洗いして馴染ませた物で、
ミノムシのような姿になります。
実際の米海兵隊などのミリタリーと同じ素材と製法なので
リアルと言えばリアルなんでしょうが、個人的には
実銃(射程600m)とエアガン(射程30m)での使用環境の違いから
効果に疑問を感じます。
接敵する条件としての目視距離の違いに対して、擬装の解像度が低い
という表現で分かるでしょうか。
そんなわけで、色々な素材で試行錯誤した結果たどり着いた、
現時点で理想的な組み合わせと思われるギリースーツを作ってみました。

余談ですが、米軍最新の迷彩であるデジタルカモフラージュは
黒が使ってありません。
自然界には黒が存在しないからとか、黒は本能的に目を引くから
という理由らしいですが、意図的に影を表現する上で黒は
有効だと思います。
少なくとも私は黒を多用しますし、効果も十分見られます。


製作条件:
個人的な考えとしてゲームの進行上、狙撃位置固定で敵待ちの姿勢は
好ましくないため、激しく動くことを前提とします。
よって、擬装素材の重量は必要最小限。
そしてジャケットとトラウザーの両方に擬装を施すことは
機動性を損ないますし効果的でないので、ジャケットのみとします。
逆に言えば、全身が露出するような状況はあまり宜しくありません。
(戦術としても遮蔽物の利用は基本ですし)


使用素材:

<写真参考>
基礎ネット、迷彩メッシュ、天然繊維、専用ジュート紐、
専用ダミーリーフ、各種ラッカースプレー
麻素材は市販の細い紐素材のみとし、バーラップロールは使いません。


手順:
[Step1:]

基礎ネットを上着の形に合わせて切ります。
編み目の数で合わせると楽です。
[Step2:]

上着にネットを縫いつけます。ここが一番の手間です。
今回は弛まないよう全部で123箇所を縫いつけました。
着てみながら、行動に支障がないようにします。
(写真では黒くスプレーして分断効果を狙ってます)
[Step3:]

ここから先は比較的、楽に進みます。
ジュート素材とメッシュ素材を結びつけたところ。
必ずしも均一にする必要はありません。適度に色の緩急をつけてください。
[Step4:]

さらに天然繊維を結びつけます。ハンズなどで入手可。
茶から緑系の中で上手く配色して下さい。


仕上げに、ダミーのリーフを括り付けたら完成です。
お好みで、スプレーを使って色味を整えて下さい。(料理のようになってきた…
ギリースーツは使い込むほどに素材が馴染んで、良い色合いになっていくのです。

同様に、ブーニーハットとゴーグルにも擬装を施してあります。



また、袖や裾の捲れ防止処理(ベルクロやスナップでの固定)なども
必要に応じて行いましょう。


では、実際にフィールドへ寝そべってみた様子です。(銃無しで)



どうですか?しっかり溶け込めているでしょうか。
撮影の都合上、分かりやすいように開けた場所でプローンしていますが
実際には、ここまでの露出や角度で視認されることは無いと思います。
この状況ならば、山猫の夢(?)である「踏まれる」事態も
もしかすると起こりえるのではないでしょうか。
私の最接近は、ライフルのバレルが当たる位置という時がありました。
しかし残念ながらまだ踏まれる境地には達していません。

ギリースーツは工夫次第でどのようにも作れるので、
皆さんもいろいろな擬装を試してみて下さい。

Let's 山猫!