実弾射撃に行こうということで、グアムに行ってきました。

広島空港からの便はなぜか欠航。
たぶん乗客が少なすぎて採算が取れないからでしょうね。大丈夫か広島空港?!
そして回された岡山空港ではコンチネンタル航空なのに大韓航空のカウンターで手続き。
ちょっとしたドッキリですよ。


大韓航空のカウンター、なぜか電気がほとんどついてませんでした。暗っ。

そしてわずか3時間半ほどでグアム到着。

射撃場は雑誌取材などでも有名なワールドガン。
観光地の実弾射撃といえば、グアムにはそれこそ乱立といっていいほどの
射撃場が建ち並んでいますが、そのほとんどがリロード弾です。
リロード弾とはケースを再利用して火薬とプライマー、弾頭を詰め直して使う弾ですが
撃つのが観光客でショートレンジということもあり、大幅に減装するのが通常です。
観光地で44口径を撃っても「大したこと無い」と感じるのはリロード弾だからですね。
というわけでファクトリー弾(工場出荷)の撃てる場所を選んだわけです。

ホテルに迎えも来て、事務所へと移動。
そして銃を選択し弾を購入したら射撃場へと向かいます。

今回はsurtrさんとカズさんの3人で行ったので、総弾薬数760発。
選んだ銃器を一覧にして載せておきましょう。

銃器名
弾薬
para
RUGER MkU
.22
Cz75
9x19
GLOCK22
40S&W
SOCOM
45ACP
M16ブッシュマスター
5.56x45
M10A3
7.62x51
surtr
RUGER MkU
.22
SIG226
9x19
GLOCK22
40S&W
M16A2
5.56x45
AK-74
5.45x39
RPK
7.62x39
カズ
S&W22A
.22
南部94式
NAMBU8mm
南部14式
NAMBU8mm
38式
6.5mmJP
99式
7.7mmJP
M16A2
5.56x45
ドラグノフ
7.62x54R
M700スナイパー
7.62x51


私の書いた表をお店に渡すと「良い選択ですね。」と言われました。
確かにマニア受けしそうなラインナップではありますな。
それぞれの口径に対して、最も撃っておきたい機種を優先的に選んでみました。
AK-47がメンテ中で使えなかったのが残念ですが、同口径で探すと予想外にも
308のM16系があったので嬉しい誤算です。
308といえばAR-10ですが、M10A3なんですね。
このモデル知りません。どっかのファクトリーカスタムなんでしょうか?
…フレーム刻印の写真撮るの忘れたぁ!orz(←大失態


ピストル弾を並べてみました。
ウィンチェスターのファクトリー弾です。各50発。フルメタルジャケット。
うーん、ピカピカした弾が整然と並んでいて見ているだけでも嬉しくなりますね。
こんなに綺麗に梱包してあっても湯水のごとく無くなっていくのです。

まずは22口径から!
マルシンの固定ガスでお馴染み。ブルバレルのルガーで撃ちます。
フォロワーをグッと下げて上からポロポロと装弾。
22口径は本当に小さいのでBB弾感覚です。
そして構え、マガジンを差し込んでスライドをリリース。

「パンッ!」

これが22口径…なんて反動が少ないんだ。
少ないとはいえ、ほぼ無反動を想像していましたので可愛らしいキックが
心地よくもあります。
体感としては軽快に動くモデルガンみたいですよ。
これぐらいなら日本でも許可してくれないかなぁ、と思わせるぐらい
玩具っぷり満点な実銃でした。

そして続いて9mm。
これは自分のHNにするぐらい好きな弾薬ですから、気合いが入ります。
加えて銃はCz75。(たぶん)ホーグ社のラバーグリップが付いてましたが
あの握りやすさはエアガンと同じ(?)です。
マグにカートリッジをカチカチと詰めていく作業も至福ですね。
50発詰めるにも意外と時間はかからないものです。
慣れていないはずなのにスムーズにできるのも、エアガンのおかげ?
マグを叩き込みスライドストップを押し下げると

「チャキッン」

ビデオでも音を拾っていましたが、このスライドの閉鎖音が素晴らしい!
素材がいいんでしょうねぇ。悶絶しそうになりましたよこれには。

バンッ!バンッ!

程よい反動に握りやすいグリップが相まって、実に爽快な撃ちごたえ。
ダブルタップも難なくこなせます。
これは良い弾薬ですね。
Cz75も、1,2度の閉鎖不良を起こしましたが撃ちやすい銃です。
名銃の所以を体感できた事は意義深い感じ。
撃ちやすいからと速射ばかりしてたらすぐ無くなってしまいました。

次は40S&W。
POLICE関係には人気のある弾薬で、9paraではパワー不足だと開発されました。
45口径よりも装弾数が稼げますし口径も.38と大差ないから反動も9paraに
毛が生えた程度かな?というのがスペックから今まで抱いていた印象。…でした。
これを詰めたのはGLCOK22。GLOCK系もエアガンでは大量に保有しているので
一つは撃っておかないとと選んだわけです。

マグへの弾薬装填はちょっと固め。流石に9paraよりも大きな弾薬。
プラマグだからか、マルイのコッキングシリーズを思い浮かべます。
そして実射。

ァンッ!

衝撃波?のようなものがハッキリと壁となって身体に当たってきました。
しかも、反動が9paraと比べものにならない。と言っては大げさですが
確実に別物です。
そして何発か撃って感じるGLOCKのグリップの悪さ。
汗でグリップが滑るのです。
しっかり握っていても強い反動で銃が持って行かれそうになる感覚。
握り直して撃つのですが、チェッカリングが手に食い込んだりと
なんとも撃ちづらい。
そしてスライドの閉鎖不良が頻発(これはスプリングのへたりかも知れない)
しまいには排夾不良でジャムってました。


反動のきつい様子が分かりますよね。
写真を見て分かる通り、ギリギリまでハイグリップに握っているので
握りが甘いとかそういう事ではないと思います。
反動がきついだけならばどうと言う事はないのですけれど、
とにかく弾が狙った場所に当たらない。
全然別の場所で砂煙が上がるんですから驚きですよ。
GLOCKは9paraから開発された銃ですので、銃のポテンシャルが
上位口径に合わないのであるとすれば納得も出来ますが、
本当にそうなんでしょうかねー?
この銃はさらに上の45口径までありますから、ちょっと撃ちたいとは思いません。
GLOCKの名誉のために言えば、9paraを撃つまでは糞銃認定は可哀想な気もします。
そして予想外に40S&Wが厳しかった事。
40S&Wは他の銃で撃てばなんとかなる弾薬なのかというのも、実際に撃って
検証しなければならないわけです。
よく言われる”ポリスに人気”なのは事実か!?
警官も、撃たなければいくら腰に下げていようとも価値は分からないわけですし
そういう評価を見る点でもいかに撃っているかを基準にした方が良さそう。
ひとつ、情報を見極める上で勉強になりました。
しかしまぁ、40S&Wと同口径でさらに装薬の多い10mm弾があるわけですから、
あんなもの撃てるのかと…撃てても当たるのかと。
ホント、オソロシイですねぇ。

そんな40S&Wに恐れをなして撃つ前から「やばいかも知れない」を
繰り返していた45口径にいくのです。
撃つ銃はSOCOM!
実銃と比べた時のエアガンの出来で一番良かったのがこのSOCOMでした。
もちろんKSCの。
トリガーの切れる位置。持った時の重量バランス。触った時の質感。
なかなか再現性が高いですよ。
ドングリのような弾をグイグイとマグに押し込んで、装填。
でっかいスライドをバシッと閉じるといざ射撃。

ンッ!

むむっ!思ったよりも撃ちやすい。
40S&Wは暴れ馬のようにガンガンした反動でしたが、45口径は良く言われる
”重たい撃ち心地”というのはまさにその通りでした。
SOCOMのスライドスプリングにバッファがしっかりあるのもマイルドな
要因でしょうが、これは撃ちやすい。


なんだか、もの凄い反動のように見えますがそんな事はないです。
重たい反動ですが暴れて制御できないほどではありません。
SOCOMは特殊部隊用の銃器開発で生まれた銃ですので、撃ちやすさも納得できます。
現場は現場でも、撃つ頻度が違えば情報の信頼性も違ってくるのかも。
45はでかい薬夾がポンポン飛ぶので、楽しいですね。
ちなみに薬夾はもの凄く熱いので手に当たったら火傷してしまいます。
この時はちょうど撮影してもらっていたsurtrさんのほうに飛んでいったので
SOCOMだけは左からのアングルになってたり。
45口径は初速が250m/s程度と遅いので、地面に転がっていた的の
アルミ板を撃つと、一つは楕円形の大きな穴に。もう一つはえぐれたように
凹んでました。
初速と弾頭の大きさで被弾痕が異なってくるのも実弾射撃の面白さです。

ピストル弾が終わったのでライフルへと移ります。

最初に7.62mmを撃ちます。いきなりです。
本日、最大のマズルエナジーを誇る旧NATO弾。
G3かFALで撃ってもみたい弾薬ですが、恐らく撃ちやすいだろうM16系に
期待が高まるのです。
ピストル弾とは比べものにならないボールペンほどの大きさの弾を
ガチャガチャとマグに詰めていきます。
おもむろに銃を持ち上げ、マグをスムーズに押し込む。
銃の重さは電動ガンと同等です。特に重たいわけでもなく。
ボルトコッキングレバーを引きジャキンと装填。

オッン!

肩を襲う衝撃と音圧。
これは凄い。というよりも、豪快すぎるのが逆に気分良い。
不思議な事にライフルという安定からか口径への恐怖はほとんど無いです。
撃っている本人はそれ程感じませんが、発砲で生じる衝撃波というのは
周りの人間には来るみたいで.308の発砲音は相当の物だったらしいです。
しかも、これで速射できないかな?と意識して撃っていたのでペースがずいぶんと
早かったみたい。
もう一度撃ちたい銃です。


.308にびびってるのか、撃つ姿勢が随分と身構えてしまってますね…(^^;
一度、装弾不良で弾がチャンバーとボルトの間で変に噛んでしまい、
弾自体が”くの字”に折れ曲がってしまいました。
相当の力で押し込んでいるんですなぁ。

最後に5.56mmを、ブッシュマスター社によるM16のカービンモデルで撃ちます。
2番目に撃ったのでハンドガードがかなり熱くなってました。
たかだか60発程度撃っただけでプラのハンドガードでもここまで熱くなるとは…。
とてもじゃないですが持てなかったのでフレームのマグガイド部分を掴む事に。
うーむ、よくここを持つのはその理由もあったんですね。
ちなみにM10はグリップが付いていたので問題なしです。
フォアグリップは偉大なり!
先に7.62mmを撃ったため、ずいぶんと撃ちやすく感じました。
ダブルタップも何のその。しかも凄くよく当たります。
確かに銃を1丁選べと言われたらこれ選んでしまうなぁ。
例えフルオートでも十分コントロールできそうな感じがしました。
ハイペースで連射すると硝煙と焼けたガンオイルの煙がもろに顔にかかるんですよね。
あれが実銃の匂いというものかぁ。全然良い匂いじゃないですけど。
鉄臭いというか。表現が難しいです。

感想は自分の撃った物しか分かりませんが、他2人の撃っている様子も。



まずはsurtrさん。
左からM16A2,AK-74,RPK。
バイポッドとスコープが付いているRPKがよく当たるらしいです。
エアガンでは無用の長物であるバイポッドも実銃では有用。
A2は凄く重たいらしい。カービンが楽チンだったことを思えば随分と違います。
でも長距離射程ではロングバレルがかなり有効らしいですけどねー。



そしてカズさん。
左から南部14式,38式,M700。
38式や99式のライフル弾はWW2当時の雷管だったそうですが、銃自体も
しっかり動いていて、当時の日本人がこれを使っていたと思うと感慨深い物があります。
日本人として一度は撃っておかなければならないでしょうね。
M700も実際に600m程度で当てるライフルですから高精度でよく当たるそうです。
カズさんは弾速計を持ち込んで初速測定をされたので、旧日本軍ライフルの初速など
興味深いデータが取れていました。


ターゲットにはナンバープレートを使ったんですが、日本からも防弾パネルを
自作して持って行っていました。


上がその材料。
ケブラーとポリカーボネイト板とそれを積層するためのポリエステル。
10mm厚のポリカ板のみで9mm弾を防ぐらしいです。
また、20枚重ねのケブラーのみでもほとんどのピストル弾はいけるらしい。
ということで、9mm厚のポリカをケブラーで包み、25枚重ねとしました。
FRPにしてペタペタとプレート化。
スペック的には十分にピストル弾を防ぐ事が出来るはずです。(レベルVA相当
しかし、肝心の検証時にこれぐらいなら当てられるだろうと
レンジの一番奥(約40m先)に置いてしまい、ピストルが当たらなかったので
RPKで撃つ事になりました。
えー、当然ながらライフル弾なんて想定していないためプスプスと全弾貫通。
なんとも悲しい結果になってしまったわけです。


でも、いろいろな角度で入った弾がガチガチに固めたはずのプレート内で
瞬間空洞を形成し、膨らんだ様子を見ると弾の威力が分かって
それはそれで興味深い結果でした。


こんな感じで終わった初めての実弾射撃。
あれだけ撃ったにも関わらず、まだまだ撃ち足りない気分です。
エアガンに対するリアリティの考え方やゲームや映画の演出に対しても
また違った見方も出来そうですし、なによりも撃つのが面白い。
ぜひ次回も行きたいですね。


おまけ:

南太平洋戦没者慰霊公苑

太平洋戦争最後の司令部あとのある場所です。
白いのが慰霊塔。
左下の防空壕のようなトーチカが司令部です。
内部の写真も撮れました。
アメリカ人ばかりで日本人は全く見なかったですね。
市街地は日本人だらけなのに…。
観光も良いですが、こういう場所にも足を運んでみてはいかがでしょうか。


 □ □ □


射撃映像:
(MOV形式のため、再生にはQuickTimeなどが必要です)

・Cz75(2nd)
・Bushmaster M16 carbin